ヒロシマからの便り

 ヒロシマの詩人御庄博実さんより、お送りした朗読CD「旅立ち」へのご感想のお葉書を頂戴した。「原爆投下の二日後、焼けくすぶっている街を、学友・恩師を尋ねて彷徨した。」と詩集「御庄博実第二詩集」(1999年発行 思潮社)後書きに書かれている。氏は、戦後詩運動の「山河」「列島」に名を連ね詩作に打ち込まれている。また自ら被爆されながら、医師としてたくさんの患者に真摯に向き合われ、「原爆放射線の遺伝的影響」という論文も残されている。

 15年前<綱出短歌会>の夏の大会が広島で行われた際、氏が講師として招かれ、私もそこに幸運にも居合わすことができた。その後この「御庄博実第二詩集」が発刊されたおりに、「綱出」誌上で拙い書評をさせていただいたことがある。そのような微かなご縁でしかなかったのだが、ヒロシマを通してフクシマを、フクシマを通してヒロシマをもう一度見つめ直さなければならないと痛切に思っている時に、氏と再びお出会いすることができた。有難いことである。

 御庄氏のご了解をいただき、お便りの一部を紹介させていただきます。

 

「寒い日が続いています。ご壮健でご活躍をつづけて居られる様で。・・・・・・・。

CD「旅立ち」いただきました。面白い企画ですネ。音楽と言葉の交錯が、またいままでの詩集とは違った味を出しています。読む詩と耳できく詩と、少し印象が違いますネ。声がきれいなので、抒情が深く伝わって来ます。有難うございました。」