吟遊詩人社の8月の仕事

 ブログ投稿ご無沙汰していました。ご心配かけていましたらすみません。決して夏ばてではありません。

 私は日の出が早い夏は大好きで1年中で一番稼ぎ時モードになります。8月に入ってずっと朗読の練習や原稿書きに集中していました。2ヶ月に一度の詩の朗読発表の機会が8月12日に六甲学生センターでありました。今回はラヴェルのピアノコンチェルト ト長調にのせて「責任」という詩を朗読いたしました。音楽と詩のことばのタイミングをすべて耳でつかみ、からだで覚えて朗読パフォーマンス本番を迎えます。どんなささやかな集まりでも、本番前は食事の準備や洗濯という最低限の家事以外の時間を練習にあてます。

 朗読CDのスタジオ録音が続いてありましたので、4篇の詩の朗読練習も毎日早朝よりしていました。朝焼けの時間帯は一瞬ごとに空の色、雲の模様が変化し、心躍るひとときです。小学校の特別支援学級の仕事をしていたときと比べ、人と話す機会が激減していますので、口のまわりの筋力が衰えないようにしないといけないと痛感しています。京都の録音スタジオに通い、今まで以上に時間を費やして、なんとか朗読CD「たいせつなものへ」の収録を無事終えました。

 この CDには、3・11以降生まれた詩が3篇と母へのレクイエムが1篇収められています。

母へのレクイエムは3・11以前の作品です。死者としての尊厳さえも奪われ、未だ家族と出会うことさえ叶わない東日本大震災の犠牲者のことに想いを馳せますと、母の92年の生涯の最期を姉とともに見守ることができたことが、どれだけ幸運で有難いことであったかと改めて教えられました。未だ名前をもたない死者たちへの祈りもこめて朗読させて頂きました。

 前回の朗読詩集「旅立ち」は、お世話になった皆様への感謝の気持ちをこめて朗読し、お一人お一人とのご縁を温めながら謹呈させて頂きました。今回の朗読CD「たいせつなものへ」は、福島原発事故以降、詩も音楽も受けつけられなくなったところから苦しみながらたどりつき生まれたものです。これにはカンパを頂き、福島の子どもたちの転地キャンプの費用等に全額使わせていただくことを計画中です。

 CD録音の前から、所属しています同人誌「縄葛」(TSUNANE)の原稿を書いていました。当ブログでご紹介した若松丈太郎氏の詩集「ひとのあかし」についての書評です。退職後、詩だけでなく随筆に挑戦する機会も頂きました。このブログコーナーが、随筆のテーマの核となっています。新たな勉強の機会を得ることができ、とても喜んでいます。

 そして突然、才能と可能性溢れた4人の若手音楽家、<クァルテットKURASHUKI>とのコラボのお話が同じ時期にあり、ドボルザーク・四重奏曲 第12番 「アメリカ」に寄せる詩を楽章毎に書きました。生演奏とのコラボのための詩は、楽章のあいだにはさむようにしています。詩の最後の節が、次の楽章を暗示するようなことばで終わるように工夫し、音楽へのイメージの橋渡し役になればと願っております。

 

 本番は倉敷であり、あまりに遠くて関西の皆様にはお誘いしにくいのですが、コンサートの内容のご紹介をさせていただきます。

 

「仲秋の夕べ~詩の朗読と音楽で楽しむ 芸術の秋 オータムコンサート~」

日時 2012年9月21日(金)開場18:00 開演19:00

場所 いかしの舎  ℡(086)483-1243  倉敷市都窪郡早島町早島1466

裏千家 小野宗生と一門の方々がお茶をたててくださいます。

 

 今年の8月は特別忙しかったというだけで、毎月こんな生活を送っているわけではありません。今日はこの辺で失礼いたします。

 

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コメント: 1
  • #1

    kyoko (金曜日, 21 9月 2012 07:59)

    しっかり活動されていたのですね。お元気で何よりでした。
    新しいCD是非聴きたいです。カンパの方法も具体的に検討下さいね。
    たとえば詩人社の口座を開設して振り込むとかね。