救命ボート

 3月3日に我が家にやって来てくれた瑠璃さんは、小さいときからの知り合いの医師の勧めで、そこでお世話になり働くことになった。我が家に彼女の家財道具一式を置いたまま、先日旅立って行った。全て彼女が決めたことで、私たちはそのあまりの急展開にたじろいだり、余計な取り越し苦労をしたりしたが、20歳過ぎた彼女の勘を信じ、気持ちを尊重し無事を祈るしかない。

 「私たちは救命ボートなのよ。『私たちの小さなボートに乗ってくれ、命を失わないでくれて有り難う。』という気持ちでいましょう。」と自分自身と連れ合いに言い聞かせた。

 

 瑠璃さんとは食べ物の好みも人の好みも似ていて、それを発見する度に「DNAだね」と笑いあった。押しつけがましく振る舞われるのは苦手で、気持ちをうまく伝えられず不器用なところも多分似ている。

 

 「今年一緒に見たい花があったんだけど、今度また見ようね。」と手を振った。

いつでも帰りたいとき帰っておいで。

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コメント: 2
  • #1

    kyoko (金曜日, 30 5月 2014 11:24)

    良かったね。彼女からうれしい報告が聞けますように!

  • #2

    逸子 (土曜日, 07 6月 2014 06:32)

    いつも彼女のことも含め見守って下さって有り難うございます。Kyokoさんと共有してた我が20代を思い出します。法的には成人だけどまだ何も定まっていなくて、大事なものと危ないものを瞬時に見分けるセンサーとか、人と接するときの自分なりの作法とかがまだ未形成で・・・。だからなが~い目で見守ろうと自分に言い聞かせる今日この頃です。