新朗読CD『祈り』をリリース!

 赤い月をみました。東の空に浮かんだ満月が、恥じらいながら少しずつ顔を隠す様子を、何度も外に出て仰ぎ見ることができました。ずっと慣れ親しんでいたはずの月の新たな一面をみせてもらいました。少し肌寒くなってきましたが、皆さまご機嫌いかがですか。

 

 今月は、私が所属しています同人誌「縄葛」の大会があり、詩の朗読をさせていただきます。私にとりましては、年に一度自らを省み点検できます重要なイベントです。もともと短歌誌である「縄葛」に、主宰の間鍋三和子氏は、短歌をやめて音楽とコラボをさせて詩を創る未知数の私に、作品発表の場を提供し続けてくださいました。とても有難いことでした。それがなければ、私の音楽と詩のコラボレーションは、誌面に足跡を残せなかったかもしれません。

 

 私独自の足跡の残しかたは、吟遊詩人社から近年2年に一度の割合で出しています朗読CDです。2012年にリリースしました朗読CD『たいせつなものへ』は、300部印刷し、現在47部残っています。たくさんの方々に聴いていただきましたこと、あらためて御礼申し上げます。

 

 今日最新朗読CD『祈り』が届きました。<3・11神戸からの祈り>というイベントに依頼されて書き下ろした東日本大震災追悼集会のための拙詩「祈り」を中心に、その後生まれた詩を4篇編んでいます。                          

 私は特定の信心・信仰の対象をもちませんが、このCDの録音を終えて、「私にとって詩は祈りなのだ。」と気づきました。森の命、未来を担う幼い人たち、地上で出会った人たち、亡くなった人たち、この惑星の命・・・様々な対象への祈りをことばに代えて詩を創ってきたのではなかったのかと、遅まきながら気づいたのです。

 

 新CD『祈り』を通しまして、新たな出会いや再会がございますことを願っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。