水脈を曳く

 忘れないうちのメモとして、今日も投稿させていただきます。今日出会ったのは、一対のカルガモです。カルガモの外見はとても地味で、オスはメスより褐色の羽がやや濃いというだけで、普段着のジャージで外出しているような目立たないカップルです。一羽だけだと濃さが比べられないので、私には雌雄の区別ができないかもしれません。唯一のお洒落ポイントは、嘴の先が黄色いこと。ここがけっこうチャーミングです。

 護岸のコンクリートの陰になり、眼を逸らしたすきにメスの姿が見えなくなることがあるのですが、メスが曳く水脈がくっきりオスの水脈と川面に重なって見えると、なんだか微笑ましくほっとします。

 こんなに睦まじいカップルですから、まもなく可愛いこどもたちを引き連れた姿に出会えるのではないかと、散歩の楽しみが一つ増えました。

 人間は水辺の生き物ではないので、くっきりと水脈を曳くことはないですが、可視不可視、様々な水脈を曳いて生きているのかもしれません。