講演「いのちとつながり3・11フクシマからみえたもの」

 10月27日(土)、明石市立中崎公会堂で、<子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク>代表 佐藤幸子さんのお話を伺った。まず会場が、優雅な奈良朝と荘重な鎌倉時代の建築様式を取り入れた木造建築であることに感動した。明治44年に建てられ、こけら落としに夏目漱石の講演会が催されたという。100年以上息をしてきた木の建物は風の通りも良く、市の指定文化財なので皆さんがとても丁寧に磨きながら使ってこられた温もりを感じた。

 

 今回の<放射能からいのちを守りたい!ひょうご>のつどい代表の後藤由美子さんのはじめの挨拶も素敵だった。「日本の標準時が定められているこの明石の地で、何を日本の標準にするのか。一人ひとりが、自分の気持ちが動かされるものから活動し、それが生き物のようにつながり動き始めることを望んでいます。」正確に再現できていないのだが、何かに突き動かされるようにこの会の賛同メンバーになり明石に来ることになった一つの要因が、この会の姿勢にあったのだとその時思った。

 

 講師佐藤幸子さんは本当に前向きな方だ。チェルノブイリの事故以来有機農法で原発の電気に頼らない自給自足の生活を創りあげながら子育てしてこられ、その大切な農地や木造の家、それまでの生活基盤のすべてを喪われたのに、「振り返っている暇なんかない。」と口にはされないが、驚くほどさばさばされている。今はフクシマの子どもたちを放射能から守るための目の前の課題に向き合われることに全精力を注いでおられる。

 

 その運動は、子どもたちを放射能から守るという一点でつながり、多少の違いは認め合い、子どもたちを守るためにあらゆることをしようという基本姿勢に貫かれている。

 

*こどもたちの避難・疎開・保養

*内部被害を防ぐための無農薬、無科学肥料の野菜の供給

*住民が安心して健康相談し、予防医学的に住民にアドバイスし、甲状腺や血液心電図検査

 が定期的にできる診療所建設 

等、課題は山積みである。          

 

 当日畳一畳のブースを頂き、生まれたての望月逸子の詩の朗読CD「たいせつなものへ」を並べて参加者と交流しながらCDにカンパを頂いた。そしてCDが誕生した10月中にお仲間から頂いたカンパを総計し、些少ながら子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク代表の佐藤幸子さんへ、第1回分としてそれをお渡しすることができた。

 皆様の温かいご支援の賜物と、心より感謝しご報告申し上げます。

 

10月27日カンパ 内訳

 

  ばとこいあ神戸・詩人関係      24000円

 詩歌誌「縄葛」同人より      28000円

  さよなら原発神戸アクション    1000円

  当日売り上げ          10800円

  合計               63800円

 

 ようやく自分の足でフクシマにつながるパイプを見つけたばかりです。スロースターターで、本当にささやかな取り組みですが、これからも詩の朗読CD「たいせつなものへ」を通じて、子どもたちを放射能から守る運動につながっていきたいと願っております。今後ともよろしくご支援ご協力をお願い申し上げます。