早朝より油蝉の合唱が続く。換気扇が回る音は、蝉の鳴き声と比べればかすかなものだが、私はそれに気づくと同時に切る癖がある。しかしどんなに激しくても、蝉の鳴き声をうるさく思ったことは一度もない。音に反応する脳の部位が、換気扇と蝉の鳴き声ではきっと違う。無意識に蝉たちに感情移入しながら聴いているのだろう。地中で7年間過ごし、ようやく土に丸い穴をあけて地上に這い出てくる。人間の子どもなら小学校に入学する時期までずっと地中で暮らしていたことになる。地上でまず脱皮し、わずか10日足らずの短いあいだに命の賛歌を歌い上げるオス。無意識にそれを絶唱だと受けとめ聴いているのだ。8月の朝の空気を破って地上で今誰よりも大きく生きていることを宣言し、種を残すためのパートナーを呼んでいる蝉たち。
8月は、6日・9日、広島・長崎の原爆記念日、15日の終戦記念日と続く。<戦争と平和>について考える機会の多い月である。
「すでに今は戦後ではなく戦前である。」という警鐘が聴こえてくる。蝉の鳴き声が戦闘機の爆音でかき消される日が再び来ないように、みんなの想いや祈りを強く深く重ね、束ねていかなければならない8月である。
♪少しでも涼しくなる工夫をしながら、蝉たちとともに猛暑を乗り越えましょう。♪
★☆吟遊詩人社8月のスケジュール☆★
18日(日)ばとこいあ神戸
13時~ 神戸学生青年センター
詩の朗読をします
マルイ前アクション
16時~ 三宮マルイ前
詩の朗読をします
24日(土)ひょうたんライブ
19時~ いちばギャラリー侑香
詩の朗読をします
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