竜胆(リンドウ)を供える

 今日は父の祥月命日である。命日にはご住職と姉の訪問があるので、いつもより気合をいれて花を生ける。花屋さんの店頭で最初に目についたのは竜胆の紺藍色。竜胆には、音楽でいえば第一主題のような役割をもたせたい。その濃い青紫には百合の白を対比させ・・・それからどうしても吾亦紅(ワレモコウ)に渋い脇役を務めていただき、根元を引き締めるためにはケイトウのビロードタッチの深紅が必要。最後に色違いの芒を3本丈高く生けて・・・と花屋の奥さんと語りながら花を選ぶときが楽しい。竜胆は落ち着いた静かな花なのに、人を惹きつける不思議な青紫色をしている。父が好きだった花だと、姉も玄関で真っ先に竜胆に目を留めた。

 おめでたいときにも、亡き人を偲ぶよすがにも花は立派な役目を果たしてくれる。

 35年前も、今日のようにひんやりと空気が澄みわたった晴天であった。

 

 

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コメント: 2
  • #1

    TE-2 (月曜日, 30 9月 2013 21:33)

    35年ですか。私はその年月だけ生きてきました。
    リンドウ綺麗な花ですね。

  • #2

    Ituko (火曜日, 01 10月 2013 23:26)

    今、第二主題の百合が開き始めました。
    喪ったことにも得たことにも愛と感謝を!
    すべてひとつの宇宙でのできごと。
    TE-2さんいつも見守ってくれてありがとう。